Gemini Nano Banana 2.1へ移行|新旧を比べる6項目
代表取締役 上坂大地郎

結論: Googleが2026年10月6日に一般提供した画像生成・対話編集モデルが、Gemini Nano Banana 2.1です。新規実装ではモデルIDにgemini-nano-banana-2.1を指定してください。既存実装は画質だけで判断せず、入力と採用基準、出力条件、参照画像、品質検品、費用、切り戻しと変更履歴の6項目を同じ条件で比べる必要があります。
この記事の要点:
- Googleは、1K・2K・4Kに対応し、文字描画、指示追従、複数ターンのキャラクター一貫性を改善したほか、既存4種の細長い比率における2K・4Kのタイル状の乱れも修正したと説明しています
- 最大14枚の参照画像、Google Web/画像検索のグラウンディング、3段階のThinking設定を利用できます
- 旧
gemini-3.1-flash-imageは非推奨ですが、Googleは停止日を発表していません。根拠のない終了日を前提に移行計画を組まないでください
こんな方に向けた記事です: Gemini APIで広告、EC画像、図解、サムネイルを生成している開発者、画像生成モデルの更新判断を担当する方、旧Nano Banana 2を本番利用しているチーム。
読み終えた後の状態: 新旧モデルを同条件で比べ、止めずにモデルIDを切り替えるための検証項目を作れます。
本稿はGoogle AI for Developersの変更履歴、モデル仕様、画像生成ガイド、料金表を2026年10月8日に照合して作成しました。Googleが公表した改善点を整理した記事であり、日本語文字や実案件のブランド画像を独自評価したレビューではありません。
10月6日に一般提供、旧モデルは非推奨へ
Nano Banana 2.1は、Googleが「高効率な画像生成と対話編集の最新モデル」と位置づけるモデルです。モデルIDはgemini-nano-banana-2.1。GoogleはこのモデルをGA(一般提供)として掲載しています。
発表と同時に、前世代のgemini-3.1-flash-imageは非推奨になりました。変更履歴が明示するのは、停止日が未発表という事実です。ここでいう「非推奨」は、新規採用を避けて移行準備へ入る状態です。今すぐ呼び出せなくなるとの告知ではありません。
日付 | 公式に確認できる変更 | 実装側の扱い |
|---|---|---|
2026年10月6日 | Nano Banana 2.1をGA | 新規開発の候補へ追加 |
同日 |
| 既存処理の比較試験を開始 |
2026年10月8日時点 | 旧モデルの停止日なし | 終了日を推測せず、変更履歴を監視 |
ここで急いで一括置換すると、画角や費用、参照画像の効き方が変わったときに原因を追えません。APIの応答が成功することと、制作物が採用基準を満たすことは別です。

モデルIDだけを置き換えず、6項目を同じ条件で記録します。停止日未発表の間は、旧モデルを切り戻し先として保持します。
2.1で変わった機能と注意点
1. 画像品質と指示追従
Googleは、視覚品質とリアリズム、プロンプトへの追従を改善したと説明しています。これは提供元による評価で、すべての画風や日本語プロンプトで同じ差が出る保証ではありません。
比較では「きれいに見えるか」だけでなく、プロンプトに指定した人数、物の数、配置、禁止要素を表にして採点してください。生成結果を選ぶ人が変わっても同じ基準で判定できます。
2. 文字描画と図解レイアウト
モデル仕様には、文字描画とインフォグラフィックのレイアウト精度向上が挙げられています。告知画像やメニューのように文字が成果物へ残る用途では、誤字が1文字あっても不採用です。
Googleの画像生成ガイドは、画像内テキストを作る場合、先に文章を生成し、その文章を入れた画像を依頼する手順を推奨しています。生成後はOCRや人の確認を通し、画像だけで公開しない運用が必要です。
3. 1K・2K・4Kと既存4種の細長い比率
出力は1K、2K、4Kに対応し、既定値は1Kです。1:4、4:1、1:8、8:1は旧gemini-3.1-flash-imageでも利用できました。2.1では、これらの比率の2K・4K出力で発生していたタイル状の乱れが修正されています。
長いバナーや縦長の商品説明では、既存の比率をより安定して使える可能性があります。ここで扱うのはGoogleが公表した修正内容であり、制作物ごとの独立評価は未実施。前世代にあった0.5K出力は2.1で利用できません。小さな試作用画像を0.5Kで大量生成していた処理は、解像度と料金を先に見直してください。
4. 参照画像は最大14枚
複数画像の融合は最大14枚です。公式仕様が示す内訳は、キャラクターの一貫性が最大4人、オブジェクトの忠実性が最大10個です。
最大値まで詰めても、品質が上がるとは限りません。検証しやすくするには、人物、商品、背景、スタイル見本を分け、各参照画像で固定する対象をプロンプトへ書きます。本人の写真、顧客素材、ライセンス付き商品画像を入力するときは、モデル性能とは別に利用許諾とデータ取扱いを確認してください。
5. Webと画像検索によるグラウンディング
Nano Banana 2.1はGoogle Web SearchとGoogle Image Searchを生成時の手がかりにできます。Image Searchを有効にする場合は、google_searchツールのsearch_typesへimage_searchを指定します。なお、実在人物のWeb画像を検索して画像生成へ使う機能は、公式ガイド上で現時点の未対応項目です。
Image Searchを使った応答では、google_search_resultステップ内のsearch_suggestionsを画面へ表示してください。model_outputのテキストブロックへ付くurl_citation注釈は、該当箇所と参照URLを関連づけて保存・表示する対象です。生成画像だけを保存して応答ステップを捨てると、表示に必要な検索候補と参照元が失われます。
検索グラウンディングの料金条件は次のとおりです。
- Free Tier: 利用不可
- Paid Tier: Gemini 3.x共有で月5,000件を内包
- 超過分: 1,000件当たり14ドル
入力1件から複数の検索クエリが実行された場合、各クエリが個別の課金対象になります。出典表示や権利確認が必要な制作物には、検索結果を使った事実と生成表現を分ける工程が必要です。
6. Thinkingは3段階
Thinking levelはminimal、medium、highの3段階で、既定はmediumです。複雑なレイアウトでは、高い設定が適するかどうかを品質差と処理量の両方で測ります。
単純な背景差し替えまで一律にhighへ上げると、待ち時間や費用が必要以上に増えるおそれがあります。比較は既定値から始め、構図が崩れる課題に絞って設定を変えてください。
参照画像と出力条件の整理
Nano Banana 2.1の入力はテキストだけではありません。モデル仕様ではテキスト、画像、動画、PDFを入力でき、画像とテキストを出力できます。一方、関数呼び出し、構造化出力、File Search、Live APIは非対応です。

入力数や解像度だけでなく、課金枠と検索結果の表示要件まで同じ記録に置くと、生成後の公開判断を追跡できます。
項目 | Nano Banana 2.1 | 導入時の確認 |
|---|---|---|
モデルID |
| 環境変数や設定ファイルで切替可能にする |
解像度 | 1K/2K/4K | 0.5K依存がないか確認 |
既存の細長い比率 | 1:4/4:1/1:8/8:1 | 2K・4Kを掲載先の最大寸法で表示確認 |
参照画像 | 最大14枚 | 各画像の役割と利用許諾を記録 |
Thinking | minimal/medium/high | 既定mediumから比較 |
検索 | Web/画像検索 | 検索回数、 |
Interactions APIで作る最小の1枚
Googleの公式ガイドはInteractions APIの例を掲載しています。次は、Python SDKで2K・16:9の画像を1枚生成する最小例です。事前にpython -m pip install -U google-genaiでSDKを導入し、APIキーはソースへ直書きせず、GEMINI_API_KEYとして実行環境へ渡します。
Nano Banana 2.1のGemini Developer APIはFree Tier非対応です。このコードを実行するには、課金設定を有効にしたプロジェクトのAPIキーを用意してください。試す前にプロジェクトの予算通知と利用上限も設定し、意図しない再試行や高解像度出力を検知できる状態にします。
from google import genai
import base64
client = genai.Client()
result = client.interactions.create(
model="gemini-nano-banana-2.1",
input="白い背景で、赤いマグカップを中央に置いた商品写真",
response_format={
"type": "image",
"mime_type": "image/png",
"aspect_ratio": "16:9",
"image_size": "2K",
},
)
with open("mug.png", "wb") as output:
output.write(base64.b64decode(result.output_image.data))これは公式ドキュメントの構造に沿った例で、この記事の環境からAPIを実行して品質を測った結果ではありません。本番では、エラー処理、タイムアウト、再試行、リクエストID、プロンプト版、出力ファイルのハッシュも保存してください。
対話編集では、最初のinteraction.idをprevious_interaction_idへ渡し、「文字だけ変える」「背景だけ変える」と続けられます。複数ターンの一貫性は改善点の一つですが、変更してはいけない要素を毎回明示し、差分確認を省かない方が安全です。
入力と画像出力の料金
Nano Banana 2.1はFree Tierで利用できず、次の価格は課金設定を有効にしたPaid Tierのものです。Standardでは、入力が100万トークン当たり1.50ドル、テキストとThinkingの出力が7.50ドルです。画像出力は解像度で目安が変わります。
画像出力 | Nano Banana 2.1 | 旧 |
|---|---|---|
1K・1枚 | $0.0336 | $0.067 |
2K・1枚 | $0.0504 | $0.101 |
4K・1枚 | $0.113 | $0.151 |
この表は2026年10月8日のGemini Developer API料金表にある米ドルのStandard価格です。前世代は入力単価が100万トークン当たり0.50ドルで、新モデルより低いため、画像単価だけを見て処理全体が安くなるとは断定できません。長いプロンプト、参照画像、Thinking、検索クエリ、失敗画像の再生成まで含めて1採用画像当たりで比べます。
Batchは画像出力単価がStandardの半額として掲載されています。即時応答が不要な大量処理では候補になりますが、バッチの完了時間や再実行設計も含めて選んでください。
旧モデルから止めずに移す手順
移行は、記事冒頭と図に示した次の6項目を1セットにします。
- 入力と採用基準: 人物、商品、文字、横長バナーを含む代表入力の選定と、誤字、人数、商品形状、禁止要素、ブランドルールの合格条件の決定
- 出力条件: 解像度、比率、Thinkingの統一と、モデル間の条件差の排除
- 参照画像: 人物、商品、背景、スタイル見本の役割と利用許諾の記録
- 品質検品: 文字、人物、商品、禁止要素の共通採点と、採用率、修正回数の記録
- 費用: 入出力、画像、検索クエリ、失敗画像の再生成を含む1採用画像当たりの集計
- 切り戻しと変更履歴: モデルIDの設定化、旧モデルへ戻す手順の確認、公式の停止日発表後の移行期限更新
移行試験では、同じプロンプトを1回ずつ比べるだけでは偶然を除けません。複数回生成し、採用率と修正回数を残してください。具体的な回数は品質基準と予算で決め、測っていない改善率を記事や社内資料へ書かないようにします。
新モデルでも人の検品が残る場所
文字と数字の公開前照合
「文字描画が改善した」は、誤字がなくなったという意味ではありません。価格、日付、人物名、商品名、注意書きは元データと照合します。図解なら、画像内の数値を本文や表から機械的に生成する方法も検討してください。
検索結果と利用権の個別確認
検索グラウンディングは、生成に使える文脈を増やす機能です。検索で見つかった画像の広告利用許諾とは別の話です。Web・画像検索を有効にした制作物では、生成履歴、参照元、利用条件を確認する工程を残します。
SynthIDが代替できない検品
公式ガイドによると、生成画像にはSynthIDの透かしが入ります。これはAI生成物の識別を支える仕組みで、事実性、著作権、ブランド適合、人物の同意を保証するものではありません。
今週の並行比較と停止日判断
Nano Banana 2.1は、文字、参照画像、細長い比率、検索、Thinkingを一つのモデルで扱える更新です。新規開発は2.1から始め、旧モデルを使う本番処理は、入力と採用基準、出力条件、参照画像、品質検品、費用、切り戻しと変更履歴の6項目を固定して並行比較してください。
今日やることは、モデルIDを設定へ切り出し、1K・2K・4K、人物、商品、文字、横長バナーを含む比較セットを作ることです。今週中に採用率と1採用画像当たりの費用を測り、切り戻しを試します。停止日の対応期限は、Googleの変更履歴へ日付が掲載された後に確定します。
Gemini API全体のモデル選択も整理したい方は、Gemini 3.8 Flashの提供条件とAPI利用も確認してください。モデル更新を品質保証へつなげるには、AI生成コードのセキュリティスキャン設計で扱う「生成と検査を分ける」考え方も応用できます。
参考・出典
- Gemini API Release notes(<https://ai.google.dev/gemini-api/docs/changelog>)— Google AI for Developers(参照日: 2026-10-08)
- Gemini Nano Banana 2.1 model documentation(<https://ai.google.dev/gemini-api/docs/models/gemini-nano-banana-2.1>)— Google AI for Developers(参照日: 2026-10-08)
- Gemini 3.1 Flash Image model documentation(<https://ai.google.dev/gemini-api/docs/models/gemini-3.1-flash-image>)— Google AI for Developers(参照日: 2026-10-08)
- Image generation with Gemini(<https://ai.google.dev/gemini-api/docs/image-generation>)— Google AI for Developers(参照日: 2026-10-08)
- Gemini Developer API pricing(<https://ai.google.dev/gemini-api/docs/pricing>)— Google AI for Developers(参照日: 2026-10-08)
- Gemini API deprecations(<https://ai.google.dev/gemini-api/docs/deprecations>)— Google AI for Developers(参照日: 2026-10-08)


