Gemini Skills移行ガイド|Gems終了までの7確認項目
代表取締役 上坂大地郎

結論: Gemini Skillsは、繰り返し使う指示と参照資料をSKILL.md中心の単位で保存し、会話の中で組み合わせる仕組みです。Gemsはアカウント種別ごとに段階終了しますが、2026年10月8日時点で機能差が残っています。自動移行を待つだけにせず、対象アカウント、移行日、参照ファイル、利用面、非対応ツール、権限、テストの7項目を先に確認してください。
この記事の要点:
- 個人アカウントではSkillsの段階展開が始まり、WorkspaceアプリはRapid Releaseで10月5日から、Scheduled Releaseで10月19日から展開予定です
- 個人向けGemsは2026年11月から終了。Business/Enterpriseは2027年3月1日より前には終了せず、Educationは2027年6月1日より前には終了しません
- 残っているGemsと対応ファイルは終了時にSkillsへ自動移行予定ですが、GitHubファイルやGemsの標準ツールには現時点で非対応項目があります
こんな方に向けた記事です: GeminiでGemを共有している方、Google Workspaceで定型文書を作るチーム、Claude CodeやCodexのSkillsをGeminiでも使いたい開発者、移行計画を作る管理者。
読み終えた後の状態: 自分のアカウントに当てはまる日程を選び、既存Gemを1つずつ移行テストできるようになります。
本稿はGoogle公式ブログ、Gemini Apps Help、Google Workspace Updates、Workspace Studio Helpを2026年10月8日に照合した内容です。Skillsは段階展開中のため、対象プランに含まれていても画面へ同時に表示されるとは限りません。一般公開済みのAgent Skills設計は、Agent Skillsの作り方と7つの設計ルールで詳しく解説しています。
Skillsは会話に重ねて使う再利用指示
GemとSkillの利用場所の違い
Gemは特定用途のカスタムGeminiを作り、そのGemを開いて会話する仕組みでした。Skillは、現在の会話やタスクへ再利用可能な指示を追加します。入力欄で/、更新済みのショートカットでは@を入力して選べるほか、Geminiが文脈に合うSkillを自動適用することもあります。
たとえるなら、Gemは用途別に担当者を分ける形、Skillは担当者が使う作業手順を必要な場面で差し込む形です。Skillをオフにすれば自動適用を止められ、1つの依頼へ複数Skillsを組み合わせられます。
観点 | Gems | Skills |
|---|---|---|
使う場所 | 専用Gemを開く | 現在の会話・タスクへ追加 |
複数の指示 | 1つのGemを中心に利用 | 複数Skillsを重ねられる |
自動適用 | Gemを選んで開始 | 有効なSkillを文脈から自動選択可能 |
保存形式 | Gemini上の設定 |
|
会話履歴 | Gemごとの最近の会話を確認 | Skill専用履歴ページはなく、通常のサイドパネルに表示 |
SKILL.mdは移植の入口、実行環境は別管理
GoogleはSkillsをMarkdownネイティブなSKILL.md形式として説明し、他プラットフォームで作ったSkillもアップロードできると案内しています。形式が近づくことで、指示や参考資料を再利用しやすくなりました。
同じファイルを読み込めても、実行結果が同じになるとは限りません。Gemini AppsのSkillsでは、インターネットへアクセスするスクリプトや外部サイトへのアクションが制限対象です。Claude CodeやCodexのツール名、権限、シェル処理を含むSkillは、Gemini側の対応機能に合わせて書き換えてください。

移行日は入口です。今のGemと同じ仕事を再現できるか、7項目の記録で確認し、引き継ぎ漏れを防ぎます。
移行の基準は「Skillが作れたか」だけでは足りません。今のGemと同じ入力を渡し、必要なツール、出力形式、共有範囲、停止条件が保たれるかまで確認します。
個人とWorkspaceで異なる展開日
個人アカウントは9月30日から段階展開
9月30日、Googleは個人向けGemini chatへSkillsをグローバル展開すると発表しました。発表時の対象は、Google AIの各サブスクリプションでした。10月8日に確認したGemini Apps Helpは、個人アカウントへ段階展開中であり、Skills自体はGoogle AI契約なしでも使えると案内しています。
利用条件は、18歳以上、個人Googleアカウント、Keep Activityの有効化です。段階展開のため、条件を満たしても設定画面へまだ出ていない場合があります。
Workspaceで見る3つの日程
Workspaceには「Geminiアプリ内のSkills」と「DocsなどWorkspaceアプリ内のSkills」があり、展開日が分かれます。
対象 | 展開開始 | 完了見込み |
|---|---|---|
Workspaceアプリ・Rapid Release | 2026年10月5日 | 10月12日 |
Workspace向けGeminiアプリ | 2026年10月13日 | 11月中旬 |
Workspaceアプリ・Scheduled Release | 2026年10月19日 | 11月中旬 |
Workspaceアプリ側の対象エディションは次の通りです。
- Business Starter/Standard/Plus
- Enterprise Starter/Standard/Plus
- Google AI Pro for Education
- AI Expanded Access
Skills in Workspaceは18歳以上の利用者向けです。管理者設定や段階展開により、同じ組織でも表示時期がずれる可能性があります。
Gems終了はアカウント種別で3段階
アカウント別の終了時期
個人GoogleアカウントのGemsは、2026年11月からサポート終了が始まる予定です。GoogleのHelpと公式ブログは終了月だけを示しており、2026年10月8日時点で正確な日付を公表していません。
同じ11月に、ミニアプリ作成実験のOpalとGems by Google Labsも終了予定です。ただし、Gems by Google LabsはSkillsへ移行されません。通常のGemと同じ扱いにせず、必要な内容を別に保存してください。
Workspaceアカウントでは、Google Workspace UpdatesがBusiness/EnterpriseのGemsを2027年3月1日より前には終了しないと案内しています。Educationも2027年6月1日より前には終了しないとの予定です。Googleの一般向け案内はNonprofitを2027年3月の対象に含めていますが、正確な日付は公表されていません。
アカウント | Gems終了の公式案内 | 10月8日時点で確定していない点 |
|---|---|---|
個人 | 2026年11月から | 正確な日付 |
Workspace Business/Enterprise | 2027年3月1日以降 | 各組織の実施日 |
Workspace Nonprofit | 2027年3月 | 正確な日付 |
Workspace Education | 2027年6月1日以降 | 各組織の実施日 |
Business/Enterpriseでは11月17日にGemsがGeminiアプリのSettingsへ移動しますが、作成・編集・利用は終了日まで継続可能です。Workspace Studioでは新規フローに「Ask a Gem」stepを追加できず、既存フローは終了時まで動作します。Gems終了時には既存stepも停止予定なので、対象フローを棚卸ししてください。
自動移行で引き継がれるもの
残るGemのdraft Skill化
GoogleはGems終了時、残っているGemをGeminiアプリ内のdraft Skillsへ自動移行すると説明しています。対応するknowledge filesも一緒に移す予定です。
自動移行はバックアップの代わりになりません。移行前にGem名、Instructions、参照ファイル、共有相手、利用中のツール、代表入力、期待出力を一覧へ残してください。自動移行後に同じ結果が出ない場合、どこが欠けたか比較できます。
対応ファイルとGitHubファイルの区別
現在のSkillsは、.txt、.md、.json、.yaml、.csv、.py、.sh、PDF、画像などを参照ファイルとして扱えます。一方、Gemに接続したGitHubファイルはSkillsで未対応です。
手動で早く移す場合、Gemのknowledge filesは一つずつ端末へダウンロードし、Skillにはまとめてアップロードできます。アップロード全体の上限は100MB。SKILL.mdはフォルダの直下に置き、Skill名は小文字とハイフンで記述する仕様です。

Gem本体が移っても、周辺の接続や使える機能まで揃うとは限りません。手作業で残す対象を先に分けます。
自動移行の対象と、手作業で保存する対象を分けた図です。Gem本体が移っても、接続先や実行機能まで同じになるとは限らないため、周辺条件を記録します。
最初のSkill作成5手順
1. 対象Gemの絞り込み
最初は利用頻度が高く、成功条件を説明できるGemを1つ選びます。「文章をいい感じにする」のような広い用途より、「会議メモから決定・担当・期限を抽出する」のように入力と出力が見える仕事が適しています。
Skillへ移す前に、次の4点を短く書いてください。
- どんな依頼で使うか
- 必ず参照する資料は何か
- 出力に必要な見出しや項目は何か
- 外部送信や削除の前にどこで止めるか
2. Gemini上での作成とファイルアップロード
Skillsページの作成方法は、Geminiとの会話、用意されたテンプレート、空のフォーム、ファイル/フォルダのアップロードの4つです。既存Gemを早く移す場合は、GemのInstructionsをコピーして「この内容でSkillを作って」と依頼する手順も公式Helpに載っています。
アップロード時のSKILL.mdはフォルダ直下へ置きます。次は最小構成の例です。
---
name: meeting-action-items
description: 会議メモから決定事項、担当者、期限、未決事項を整理するときに使う
---
# 会議アクション整理
1. 入力から決定事項と未決事項を分ける。
2. 明記された担当者と期限だけを抽出する。
3. 推測した内容には「要確認」と付ける。
4. 外部送信は行わず、Markdown表を下書きとして返す。この例は公開仕様に沿った設計例で、Googleが配布する公式テンプレートの転載ではありません。ツール実行が必要なSkillは、対象環境の権限と対応機能を別途確認します。
3. 3種類の入力テスト
テストでは成功例だけを用意しません。用意するのは、通常入力、情報不足の入力、実行してはいけない依頼の3種類です。
テスト | 入力例 | 合格条件 |
|---|---|---|
通常 | 担当と期限が書かれた会議メモ | 4項目を指定形式で抽出 |
情報不足 | 期限がないメモ | 期限を推測せず「要確認」 |
境界 | 抽出後に関係者へ送信して | 下書きで停止し、送信しない |
Skillが自動適用された場合も、どのSkillが使われたかを確認します。誤って広い場面で発動するなら、descriptionへ使う場面と対象外を追加してください。
Gemini Skillsを置く2つの判断軸
GeminiアプリとWorkspaceアプリの切り分け
2026年10月8日時点で、GeminiアプリのSkillsとWorkspaceアプリ内のSkillsは同期しません。Workspace向けGeminiアプリのSkillsは、10月13日から段階展開予定です。両方の利用面で使う場合は、それぞれにSkillを作る必要があります。
たとえば、Geminiアプリで検証した「採用候補者への返信下書き」SkillがDocsへ自動表示されるとは限りません。Geminiアプリ用、Docs用の正本をどこに置き、変更をどう反映するか決めてください。SKILL.mdをリポジトリや承認済みDriveで管理し、各面へ反映した版を記録すると差分を追えます。
個人と組織のアカウント区分
利用面を決めた後は、Skillを個人GoogleアカウントとWorkspaceアカウントのどちらで所有するかを選びます。会社の業務正本には、組織で継続管理できる保管場所を使ってください。
業務で使うSkillは、組織の利用ルールに沿って所有者、共有範囲、更新者、参照ファイル、廃止手順を決めます。退職や異動の後も引き継げる状態にします。

Workspace向けGeminiアプリのSkillsは10月13日から段階展開予定です。どこで使うかと、誰が所有・共有するかを分けて決めます。
「どこで使うか」と「誰が所有・共有するか」は別の判断です。両方の利用面で使う業務は、版管理したSKILL.mdから個別に反映します。
【要注意】Gemsと同じつもりで移すと詰まる点
現時点で使えない標準ツール
Gemini Apps Helpは、SkillsがすべてのGemini機能と連携する段階には達していないと説明しています。2026年10月8日時点で、Gemsにある多くの標準ツールのうち、次はSkillsで未対応です。
- Create video
- Create music
- Canvas
- Deep Research
- Guided Learning
Googleは今後数週間で、共有、Google Driveのファイル、Gemini Notebookのnotebookなど、Gemsで使われていた機能をSkillsへ追加すると案内しています。予定と提供済みを混ぜず、自分の画面で確認してから業務を切り替えてください。
外部アクション非対応のスクリプト
アップロードしたSkillには.pyや.shを含められますが、Gemini Apps Helpはインターネットアクセスを必要とするスクリプトと、外部サイトへのアクションを非対応としています。
外部API、社内システム、メール送信、チケット更新が必要なSkillは、そのまま移植できません。指示とテンプレートは共通化し、実行部分をWorkspaceの対応機能や別の承認済み自動化へ分ける設計が必要です。
移行前の権限・参照資料チェック
機密情報と自動適用の境界
アップロード前の除外として、フォルダを丸ごと選ぶ場合は.env、ログ、下書き、個人情報が含まれていないか確認してください。公式Helpでは.envも対応ファイルの例です。ただし、秘密鍵までアップロードしてよいという意味ではありません。
アップロード前にファイル一覧を確認し、APIキー、アクセストークン、顧客情報、不要な履歴を除外してください。参照資料はSkillが必要とする最小範囲に絞り、更新期限と管理者を付けます。
自動適用の範囲も同時に確認します。有効なSkillは、Geminiが依頼の文脈から自動適用する対象です。説明文が広すぎると、意図しない会話へ参照資料や指示が入り込む可能性があります。
自動適用を止めたいSkillはSkillsページでDeactivateにできます。テスト時は「使うべき依頼」「使わない依頼」を並べ、発動範囲を確認してください。削除は元に戻せないと公式Helpにあるため、削除前にzipをダウンロードして保管します。
Skillの作成数に上限はありませんが、同時に有効化できるのは100件までです。多数のGemを移す場合は、日常業務で使うSkillを先に選び、使わないものはDeactivateした状態で管理します。
契約・終了時期・他環境移植の3問
Google AI契約がなくても使えますか
2026年10月8日に確認したGemini Apps Helpは、SkillsをGoogle AI契約なしでも利用できると案内しています。個人アカウントへ段階展開中のため、まだ表示されない場合があります。18歳以上、個人Googleアカウント、Keep Activityなど、Helpにある条件も確認してください。
Gemsはすぐ使えなくなりますか
個人向けは2026年11月から終了が始まります。Workspace Business/Enterpriseは2027年3月1日以降、Educationは2027年6月1日以降です。アカウント種別で時期が違い、正確な実施日は一部未発表です。
Claude CodeやCodexのSkillをそのまま使えますか
SKILL.mdをアップロードする入口はあります。ツール、権限、スクリプト、ファイル構成の互換性は別に確認が必要です。Gemini Appsでは外部アクションを行うスクリプトが非対応なので、実行部分を分離してください。
最初の1 Gemで記録する7項目
移行初週は、利用頻度が高く成功条件の見えるGemを1つ選びます。次の7項目を残してください。
- 個人/Business/Enterprise/Nonprofit/Educationのどれか
- 自分に適用される展開日とGems終了時期
- GemのInstructions、共有先、代表入力、期待出力
- 自動移行するファイルと手動保存するGitHubファイル
- Geminiアプリ、Workspaceアプリのどちらで使うか
- 動画、音楽、Canvas、Deep Researchなど必要機能の対応状況
- 通常・情報不足・禁止依頼の3テストと戻し方
今日はGem一覧と依存機能を記録し、今週は1つを手動でSkillへ移して3テストを実施します。自動移行の日までに、GeminiアプリとWorkspaceの正本を決めてください。
Skillの中身を設計する段階では、Agent Skillsのフォルダ構造とテスト方法の設計観点を流用できます。ただし、ツール、権限、スクリプトの実行条件はGemini固有の制約に合わせて再検証してください。指示を確定処理と分けたい場合は、Claude Code Hooksの5つの自動化例も設計比較の材料になります。
参考・出典
- Let skills in Gemini tackle your most repetitive tasks(<https://blog.google/products-and-platforms/products/gemini/automate-tasks-with-skills/>)— Google(参照日: 2026-10-08)
- Introducing skills in the Gemini app and Workspace, plus what’s next for Gems(<https://workspaceupdates.googleblog.com/2026/09/skills-gemini-app-workspace.html>)— Google Workspace Updates(参照日: 2026-10-08)
- Create & manage skills for Gemini Apps(「Use skills for a task」節を含む)(<https://support.google.com/gemini/answer/17094296?hl=en>)— Gemini Apps Help(参照日: 2026-10-08)
- Write effective skills for Gemini Apps(<https://support.google.com/gemini/answer/17102773?hl=en>)— Gemini Apps Help(参照日: 2026-10-08)
- About the transition from Gems to skills(<https://support.google.com/gemini/answer/18560919?hl=en>)— Gemini Apps Help(参照日: 2026-10-08)
- Use Gems in Gemini Apps(<https://support.google.com/gemini/answer/15146780?hl=en>)— Gemini Apps Help(参照日: 2026-10-08)
- Learn how skills work in Google Workspace & Google Workspace Studio(<https://support.google.com/workspace-studio/answer/17307546?hl=en>)— Workspace Studio Help(参照日: 2026-10-08)
- How Gems transition to skills impacts Workspace Studio flows(<https://support.google.com/workspace-studio/answer/18336943?hl=en>)— Workspace Studio Help(参照日: 2026-10-08)


